vol.20睡眠時無呼吸症候群の治療法 その②マウスピース(スリープスプリント)
2018/11/28
睡眠時無呼吸症候群の治療としましては、主にCPAP(Continuous Positive Airway Pressure、持続陽圧呼吸療法)、マウスピース(スリープスプリント)、手術療法、nastent®(ナステント 保険適応外)などがあります。効果としてはCPAPが最も確実で効果も高いと考えますが、次にnastent®が比較的確実に効果があり、マウスピースや手術療法に関しては睡眠時無呼吸症候群の治療としては個人差がありすべての患者さんに適応できるものではなく不確実な治療法の域を脱していないと考えます。ただ症例を選ぶことで非常に効果があることもわかっておりますため、大切な治療の一手であることは事実です。前回はCPAPについて書かせていただきましたが、今回はマウスピース(スリープスプリント)についてお話をしたいと思っております。
スリープスプリントは舌根が沈下して気道が物理的に閉塞するタイプの睡眠時無呼吸症 候群に対して効果があります。スリープスプリントが下顎(あご)を前方に突き出した状態で上下のアゴを固定することで、舌根と咽頭の間に隙間を作り気道を確保するという原理です(図1)。 いびきと比較的軽い睡眠時無呼吸症候群に適応があるとされていますが、改善効果は患者さんによって差があり限定的と言えます。一般的に若い人で、肥満がなくスマートな人、女性、アゴが細くて小さい人などに効果があると言われています。
結論としまして、現在のスリープスプリントの立ち位置としては、睡眠時無呼吸症候群の軽症の患者さんは第一選択の可能性はあると考えますが、中等症以上であれば治療効果の高いCPAPが第一選択で、CPAPが不快で合わない人のための第二の選択肢であると考えます。
すぎもと医院 院長 杉本 由文
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