流産をくり返す!? 妊婦と睡眠時無呼吸について|すぎもと医院 院長コラム

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院長コラム~病気や健康維持のワンポイントアドバイスなどをお届けいたします

vol.26 流産をくり返す!? 妊婦と睡眠時無呼吸について

2019/5/29

睡眠時無呼吸症候群を合併した妊娠の流産や胎児への影響とは

妊娠されるような若い女性で睡眠時無呼吸症候群??って思われるかもしれませんが、妊婦が睡眠時無呼吸症候群を発症したり、元々持っていた睡眠時無呼吸症候群を悪化させたりすることで、流産をしやすくなったり胎児への影響があることを述べたいと思います。

妊娠によって妊婦は脂肪が蓄積しやすくなり体重も増加しがちです。脂肪の沈着によって気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群を悪化させたり、新たに発症したりしやすくなります。睡眠時無呼吸症候群の方は、夜間の低酸素状態の継続と睡眠が分断されることで交感神経の亢進が起こりやすく、血圧の上昇や不整脈、高脂血症、血糖値の上昇/糖尿病などを発症したり、睡眠中の無呼吸によって胎児や胎盤の酸素不足をもたらし、流産や早産、胎盤機能不全、胎児発育不全を引き起こすことが知られています。

愛知医大塩見らの研究では、40歳未満の妊婦、睡眠時無呼吸症候群の患者で妊娠歴のある11例中4例に反復流産、2例に早産、4例に児の発達障害(広汎性脳機能障害)を認め、この11例中10例は高度の肥満で、8例は重度の睡眠時無呼吸症候群であったと報告している。また睡眠時無呼吸症候群合併の妊娠で子宮内での胎児発育遅延のリスクは正常妊娠に比べて3.45倍高いとの報告もあり、睡眠時無呼吸症候群を合併した妊婦で流産を繰り返している患者にCPAPを導入することで妊娠、妊娠の継続、正常児の分娩(帝王切開)に成功したと報告されておりました。論文の結論としては、高度肥満の妊婦では睡眠時無呼吸症候群の合併が母体のみならず胎児に悪影響を防ぐために、睡眠時無呼吸症候群の早期発見・治療(CPAP)は、流産、早産、妊娠高血圧症候群、並びに子宮内胎児発育遅延の予防のためにも非常に重要であると考えるとされておりました。

ただ、当院ではやはり圧倒的に中年男性の睡眠時無呼吸症候群が多いのですが、肥満ではない若い女性も少ないながら患者様がおりまして(扁桃腺が大きい、鼻中隔湾曲などの鼻づまり、顎が小さい、睡眠薬を常用しているなど)、もし妊娠がしにくい、流産を繰り返してしまうなどの女性がいたら睡眠時無呼吸症候群を合併していないか、肥満ではなくても一度は検査してみる価値はあるかと思われます。

すぎもと医院 院長 杉本 由文

電話番号:06-6924-7077

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