甲状腺の病気と睡眠時無呼吸症候群 | 大阪市都島区 桜ノ宮駅すぐのすぎもと医院

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院長コラム~病気や健康維持のワンポイントアドバイスなどをお届けいたします

vol.18甲状腺の病気と睡眠時無呼吸症候群

2018/10/22

睡眠時無呼吸症候群は糖尿病や末端肥大症などのホルモン異常を呈する病気に合併することが知られていますが、そのなかでも甲状腺機能低下症において頻度が高いと言われています。今回のコラムは甲状腺の病気と睡眠時無呼吸症候群の関係についてです。

甲状腺はのど仏の周囲にある甲状腺ホルモンを出す内分泌臓器です。甲状腺ホルモンはからだの新陳代謝をうながすホルモンで、元気が出るホルモンとしての作用があります。今回、睡眠時無呼吸症候群に関連する甲状腺機能低下症、特に橋本病に合併しやすいと言われています。

甲状腺機能低下症は無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠(半ば眠ったような状態)、記憶力低下、 便秘、嗄声(声がかすれること)、難聴等など様々な症状を呈します。橋本病はリウマチのような甲状腺ホルモンを作る細胞に自己抗体ができて甲状腺を痛めてしまう病気です。橋本病は女性に多く、男女比は1:20とも1:30ともいわれ30歳~40歳代に発症しやすいとされています。ただ甲状腺機能低下症としては加齢とともに増えてくる病気です。睡眠時無呼吸症候群も加齢とともに増加する病気であり、特に加齢により睡眠時無呼吸症候群と甲状腺機能低下症・橋本病は合併する頻度が一層増加すると考えられます。

なぜ、甲状腺機能低下症・橋本病と睡眠時無呼吸症候群が合併するかといいますと、肥満や舌の腫大、上気道粘膜の浮腫み、上気道の筋肉の緊張が弱くなることによる物理的な気道の狭窄によるものが挙げられます。また甲状腺ホルモンが減少することで代謝機能異常や心臓機能の低下することで、脳の呼吸中枢からの呼吸シグナルが低下し中枢性の無呼吸も起こすことが特徴です。

治療としましては比較的甲状腺ホルモン補充療法が効果を示し、睡眠時無呼吸症候群もそれにより改善する可能性があることが証明されています。特に中枢性の無呼吸に関しても効果があったという報告あり、ホルモン補充療法の安定とともに日頃の睡眠状態を把握することで睡眠時無呼吸の改善や導入したCPAPの離脱についても注意深く観察していく必要がありそうです。

Obstructive sleep apnea in hypothyroidism. Ann Intern Med: Rajagopal KR, Abbrecht PH, Derderian SS, et al Sleep apnea and hypothyroidism.Am J Med: Grunstein RR, Sullivan CE

すぎもと医院 院長 杉本 由文

電話番号:06-6924-7077

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